これまでのしごと紹介(工藤)

みなさん、はじめまして。代表のクドウです。いろいろなことをやってきていますが、展示と映像とグッズが好きです。基本的には生命科学・及び研究者の世界を伝えるために作るので、なんというか、必要以上にカッコいいモノは不要だと思っています。ベタで十分。研究のデータが魅せてくれる部分も大きいのでやりすぎないようにしています。

基本的には、目に見えない世界を模型などで拡大することが得意です。しかも手作りが多い。自分自身が、手を動かして作りながら理解を深めたり、発見するのが面白いからです。疑問が湧いてくるのです。紙粘土、モール、ビーズ、レジン、お湯丸、組紐など、使います。手を動かすことが好きな人や得意な人に協力してもらいながら、知識を共有しながら作るのもサイエンスコミュニケーションだと思うので、なるべく手伝ってもらうことにしています。しかし、量産できないことはやっぱり弱点かな。

いろいろなことをしてきているのですが、そういう私の変なもの(?)たちに注目してくださった学芸員さんがいらして、鞆の津ミュージアムで「凸凹の凹凸〜さわってみるこの世界〜」2016.4.30-8.14にて展示していただきました。

鞆の津ミュージアムでの展示

JT生命誌研究館時代

 JT生命誌研究館では、右も左もわからない中、本当にたくさんのモノを作りました。おそらく私の方向性を決定づけた作品はWhat’s DNAという映像作品。Part1から3まで3回に分けて製作しました。この作品は、完成から5年後の2007年に講談社さんの目にとまり出版された思い出深い作品です。

1998年 川村りら 富士通SSL(当時)

Part1で出会った担当の川村りらさん、今でも彼女の絵コンテは素晴らしかったと思います。当時はCG技術がまだまだで、映像までこの雰囲気を持っていけなかったことは少し心残りです。CGを担当してくれた建築CG専門のSolid Design Lab.の松木洋さんは、全シリーズともCGを担当してくださり、この作品からインスピレーションを得て、個展等を開いてくれ、本当に人に恵まれた仕事でした。

立教大学時代:レゴDNA

撮影:大西成明

これは10年越しの企画です。立教大学の物理学科の当時2年生だったレゴ好きの学生さんと一緒に実現まで漕ぎ着けました。今でも全国の学校にリクエストがあれば無料で貸し出しています。

新学術領域「細胞壁機能」広報

新学術領域「植物細胞壁機能」の広報担当というものをやってみました(2012−17年)。この新学術領域ではそもそも細胞壁を理解していないと何を聞いても分からない・・。ということで、植物細胞壁の形をビーズで再現してみました。細胞壁は、糖類からできているので、糖の種類でビーズの色を分け、糖の結合もできる限り再現しました。なかなかに興味深い、漁網に絡まった海藻のようなものになりました。研究発表で、今はここの話をしているのよね、とビーズの色と形を思い浮かべながら聞いていました。他にも面白い研究があったので、せっせと形にして、手にとって実感できるようにいろいろなモノを作りました。

「卵からはじまる形づくりー発生生物学への誘い」展示(科博)

2017年4月科学博物館での展示の中で製作したクロマチン構造の模型
縮尺を合わせてヒストンとDNAを作り、巻きつけてみると、教科書通りの長さがヒストンに巻きつきます。

日本発生生物学会50周年で企画された展示のディレクションを行いました。実物はもちろん、写真など、インパクトがあるものばかりです。しかし、意味がわかるようにしないと勿体ないということで、がんばりました。いろいろと作りましたが、一番大変だったのは「iPS細胞では“クロマチン構造の変化が誘導されているという”説明のための模型」です。DNA24メートルを組紐で再現。学習院大学の学生さんに手伝ってもらいました。この時は出張の新幹線移動内でも編んでいました。ヒストン(黄色)は生物系の3Dプリンターでのつくりものではミダスさん以外はあり得ない、そのミダスさんにお願いしました。正確に縮尺を再現すると、ほんと、ヒストンの溝にぴったりなDNAにうっとりしました。

第31回国際生物学オリンピック2020長崎大会事務局長時代

国際生物学オリンピックでの事務局長時代は、生物学オリンピックのTシャツやカバンなどのノベルティは作っていましたが、模型は作れませんでした・・・。代わりにこれも5年越し?の絵本がでました。

プロトタイプはこんな感じ。

最終出版はイラストレーター さんが変わって岩崎書店からでています。

この記事を書いた人

Kudo Mitsuko