昨年度から学術変革領域研究(B)「寄生虫が持つ高度機能因子の同定とその利用」の広報のお手伝いをしています。研究のコンセプトは[寄生虫模倣:Parasitomimetics]です。
まずはHPを制作。現在駒場博物館で展示開催中のサイエンスコミュニケーション演習の講義で知り合った江木しおりさんにロゴ・アイコンをお願いしました。というのも、すでに卒業生だった彼女が参加して作った作品のイラストに登場するバクテリアが、なんとも素敵だったからお声がけしました。
グループリーダー3名についてはウチダヒロコさんとコンセプトイラストも作成しています。
寄生虫研究者とのお付き合いは初めてです。学生の時に目黒寄生虫館に物見遊山で行きました。学生時代のアフリカ旅行ではツエツエバエにも刺されました。生命誌研究館にいた頃には、藻類の研究グループがあったので、原虫については少し触れたものの、共生の視点からの知識でした(まぁ、共生と寄生は違いはないともいう?)。立教大学にいた時に、生命誌の時のお知り合い、敬愛する大西さんから目黒寄生虫館のムラージュ標本の写真をわんさか見せていただいて、おおおおと感心したこともあります。ということで、これまた満を持して、寄生虫業界です!?
寄生虫といえば、嫌だけれどなんとなく興味がある、惹きつけられる生き物ではないでしょうか。寄生虫の研究者がワークショップをやると、やはり、大人気だそうです。寄生虫に興味を持った子供たちが、その後、研究をしたいと思っても、一体何学部に進むのか、さっぱり想像ができない・・・という発言が元になり、研究者のマップを作ることになりました。
私は展示を作る時、必ずその研究業界で発表したり、原稿を書くようにしていました。ということで、まるで分からないので、まずは3月末の寄生虫学会で、「マップを作るので、皆さん、協力してください!」と呼びかけてみました。領域代表の後藤先生が心が広い方なので、お許しいただきました(笑)。
反応はいろいろで、勉強になりました・・・。まぁ、難しいこともたくさんあります。はい。
獣医学部(農学部に獣医がある場合も)・医学部などに進学すれば出会えるかもしれません。どんな寄生虫のプロがいるのか、これも閉ざされた業界の情報です。寄生虫のプロは、それぞれ研究している生き物、現象などが決まっているので、何でもかんでも知っているわけでもありません。メディアの方が、本当のプロに正しく辿り着けるという意味でも良いのでは?と思ってまずは第一歩。希望者にご登録いただいて、先月ようやく公開しました。この寄生虫のイラストを描いてくれたのは江木さん。毎週のように喫茶店で、私の寄生虫資料説明を2時間程度聞いていただき、4つづつ仕上げていってもらいました。ユーモラスかつ特徴はそれなりに外さずに・・・と完成しました。学会でご指摘いただいたところは修正しました!!
せっかくこれだけのイラストを描いてもらったので、このイラストを使ってイベントもしくは展示を春に行う予定です。今年の秋冬はまたしても寄生虫にどっぷりの予定です。