東大UT-7のコンセプトイラストのお仕事

五十嵐圭日子
杉山将
田端和仁
後藤由季子
上田泰己
浦野泰照
竹内昌治
野地博行


(ディレクション:クドウミツコ イラスト:ふるやまなつみ)

研究コンセプトをイラストにする

昨年の後半から半年かけて、東大UTー7(次世代生命概念創出研究グループ)の研究コンセプトをイラストにするというお仕事をさせていただきました。皆さん共通するのは大激務。取材をする時間も貴重なので、下調べをしようと思うものの、仕事量が膨大すぎて、私の脳みそが大変なことに・・・。久しぶりに緊張しました。皆さんの研究内容はそれはもう面白かったです。

イラストレーター はふるやまなつみさん。3年前に私の絵本のイラストを描いてくれた横山拓彦さんの友人で、長い間、一緒に仕事をしたいなぁとひそかに狙っていた方です。一緒に仕事をして、想像通り、仕事もやりやすい、工夫しどころも的確で、久しぶりに素敵な出会いで楽しい仕事でした。

コンセプトイラストというのは、私が以前新学術(植物細胞壁の情報処理機能2012-2017)の広報担当の時に、これまた素敵なイラストレーター ウチダヒロコさんと始めたものです。

研究成果を伝える場合、最も一般的なのが、文章と図版などの記事だと思います。それを図版をメインに持ってきて、できる限り文章を減らしたものが、博物館や科学館の展示パネルになります(言い過ぎですが、細かいところは割愛デス)。私は昔から極力文章を削ることを目指していました。それはパッと意味が把握できる&日本語がわからない人にも伝わるという意味で、こっそりせっせと開発していました。タイトルとイラストに少しのキャプションで構成されたパネルというのが理想です。一方で、科学館や博物館の展示アプローチとは別に、美術館の絵画のようなアプローチできないかなぁ(=絵を解読すると、研究内容が分かる)と探っていました。現段階では、研究を伝える際の美術館的アプローチということの私なりの答えが、研究コンセプトイラストです。

研究分野を代表する立ち位置になっていくと、非専門家に自分の研究だけでなく分野全体を伝える状況が多くなってきます。そういった状況では、研究者が何を考えて、何をしたいと思っているのかというイラストを最初に提示して、ついでに自己紹介することは、研究成果を伝える前に全体像がその研究者自身のキャラとともに示され、聞く側は、ずいぶんハードルが下がるのではないかなぁと思っています。出来上がって見れば、簡単なんですが、描く前は想像できないので、結構難しい。イラストの解説をすれば、研究の全体像&自己紹介できるもの、実際の研究者のキャラを想像しながら、せっせと妄想して、描くもの、不要なもの、レイアウト・・など考えます。上手くはまるものがイメージできるまでは、取材してから2週間近く、脳内発酵。歩いてる時も、家事している時も、常に考え、頭の中に、ジャジャーンと降りてくるまで、待ちます。取材してすぐの時には、私も研究の面白さに近視眼的になっていて、全体像が見えないので、説明的なイラストになりすぎる傾向があります。今回、竹内先生のイラストは竹内先生以上のものが考えられず、悔しい・・・・。これまた初めての経験でした。世の中には凄い人がいる、本当にw

この記事を書いた人

Kudo Mitsuko